『防衛のこと』

【この島の防衛の至難さから考えて、一発の弾ももたずに日本の防衛をなしうる魔術的な政治力だけが、今後の日本の首相になりうる唯一の条件ではあるまいか。】p96

 

これは昭和43年に司馬遼太郎が書いている言葉である。『司馬遼太郎全集68』から引用した。

 

先の安倍首相など、この≪魔術的な政治力≫の持ち主に当たるのだろうか。

また、「一発の弾ももたずに」と書かれた50年前とは少し事情が変わってきている。・・・

・・・この魔術的な政治力が日本の首相の「唯一の」条件というのはどうだろうか。今も、今後も、そうなのだろうか。

 

 

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『殉死』を読む序でに、司馬さんの関連する随筆等を見ておこうと思い、この本を借りてきた。2008年に図書館に入った本だが、そうとう読まれている感じである。ページの間にビスケットのかけらなどが挟まっていないのは幸いである。

 

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バラモン経典』も、面白く読んでいる。どこが、どのように、面白いか、書くべきかもしれないが、・・・・書くかどうかはもう少し読み進んでからにしようと思う。というのも、他人には(もし上手に書けたとしても)面白みが伝わらない可能性が大だから。これは一人で面白がっているしかないかな、と。

 

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『ターミネーター・ジェネシス』

この映画の最後のナレーションは「未来は決まっていない」

 

アメリカ大統領選挙の様子を伝えるWebニュースのタイトルを見ている限り、

「未来は決まっていない」と。

 

「平等化の方向へ歴史は動いている」、このトクヴィルの認識を間違っていないとボクなどは思っていたのだが・・・「未来は決まっていない」かもしれないね。

 

否応なしに動いてゆく方向などありやしない⁇。

 

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中國古代の歴史は、誰が食わしてくれるか、誰に従えば食えるか、これが唯一の問題だった、ようにも見える。

 

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トンビも食いものが乏しくなってきたようで、私の上を輪を描いて飛び、だんだん高度を下げてくる・・・いつも餌をあげているおばさんと立ち話しているところを見られたのだろうか。顔を覚えられたのか・・・

カラスは、ずいぶん遠くから私を警戒する・・・

 

川沿いの小道に随分沢山カニの甲羅とか足が散乱している。こういうものが普段の彼らの食べ物なのだろう。

 

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『柿の種』から

【「あらゆる結婚の儀式の中で、もっとも神聖で、もっとも

サブライム(気高い)なものは、未開民族の間に今日でもまだ行われている略奪結婚のそれである。・・・

近年まで、この風習が日本の片すみに残っていたが、惜しいことに、もうどこにも影をとどめなくなったらしい。

そうして、近頃都会で行われるような、もっとも不純で、最も堕落したいろいろの様式ができあがったのだ。」

こう言ってP君が野蛮主義を謳歌するのである。】p33

 

ちょっと唐突な感じがし、ビックリした。こういう発言が、一部では歓迎されていたのだろうか。それはどういう流れの中でのことだろうか・・・

ちょっと気になってあれこれ考えた。

 

まず。不純というのは、お金がものをいう様々な様式の事だろうか。

金色夜叉ではないが、「ダイヤモンドに目が眩んだか‼」・・・

 

・・・お金のことであまり苦労することのなかった大正時代のエリートには、

自分の気持ちに素直なのが気高かったのだろうか・・・しかし、相手の気持ちは如何なのだろうか。・・・こういう考え方も負け犬の遠吠えになりつつあったものか

 

『坊ちゃん』の時代はたしか明治中頃だったと思うのだが、大正も似たようなものだったのか。この頃には小金持ちはたくさん生まれてきていただろうし、彼らの大半は

知的エリートではなかっただろうから・・・

 

確か文化というのは割れ物を袱紗に包むようなこと、と誰かが言ったような・・・

とすれば、やはり、野蛮主義は廃れてゆくもののようにも思う。今や割れ物よりも高価な袱紗が大きな意味を持っているのかもしれない。

ま。当然といえば当然である。今や見た目が八割以上、の時代だもの。

 

これが書かれてから丁度100年である。100年の長さというものが、すこしだけ感じられる。・・・思う以上に遠ざかってしまったのだ、と。

 

 

将棋は次回に

いろいろ雑談することが多くて、つい時間が無くなってしまった。

大阪都否決の事。菅さんの夏以降の様子。アメリカ大統領。アジア情勢。など

 

私はあまり知らないので、ほとんどが聞き役としてあれこれ質問して情報収集。

 

さて、やろうか、という話になった時には、11時になるところだった。Kさんは午後は麻雀の約束があるという。1時間では気持ちの上で窮屈なので次回ということに。

 

一通り話しが済んだので、それからしばらくは昔ばなし。

何時も同じではつまらないので「我々ぐらいの年になると多くの人が、あの時ああすればよかったなあ、と後悔すると聞いたことがある。Kさんにも、そういう人生の岐路で、迷って悔いていることがありますか。例えば恋愛とか結婚とか」と水を向けたところ

いまでも時々思い出すことがある、と。

こんな話をしていて、あっと言う間に昼になってしまった。

 

 

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読書。読む本が多くて。

全部途中だが・・・新たに「バラモン教典」(中央公論社 世界の名著1)を読み始めた。図書館の「除籍文庫」である。

『殉死』遅々として進まない。作者はずいぶん気を使って書いているようだが、

こういう本はやはり読みづらい。

『日本の朝鮮文化』ざっと目を通したが、簡単に頭に入る内容ではない。分からないことばかりだ。話されていることは、大半が定説ではなく、仮説のようだが・・・こんな大昔の事でも、今の隣国関係が影を落としているのかどうか・・・。此処に書かれている仮説の多くが至極分かりやすい事のように思うことが多いのだが・・・。

『柿の種』寺田寅彦さんの、これが除籍文庫?しかし、表を見ても裏を見ても、「除籍」とは何処にも書いてない・・・

・・・多分読み終えて誰かが持ち込んだのだろう。

読んでみると面白そうだ。まだ読み始めたばかりだが・・・

【眼は、いつでも思ったときに閉じることができるようにできている。

しかし、耳のほうは、自分では自分を閉じることができないようにできている。

なぜだろう。】p28

 

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『女と文明』

面白かったので、ひと月前にKさんに貸していた。その本が返ってきたので感想を聞いたが、イマイチだったようだ。

私は、私にはとても書けないような歯切れのいい切り口で論じるところに感心して(梅棹さんはやはり天才だなあと)読んだのですが。

自分の感心した本を人に勧めて共感してもらうというのは稀有かも知れない。

 

『柿の種』もKさんは面白がらないかもしれないな

 

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いろいろ 2

ずいぶん間が空いてしまったが、2連勝である。

勝てるとは思っていなかったが。

Kさんに焦りがあったとしか思えない。

Kさんは得意の高美濃囲い。わたしは例によって矢倉。しかし矢倉を組ませてもらえなかった。端から攻められて・・・。飛車が狙われて・・・。

 

しかし、いつものKさんには珍しく、攻めゴマが一つ足りない。

 

すこし間が空きすぎたので、次回は間を置かず、来週火曜日、文化の日に指すことにした。指すからには勝ちたいが勝っていいものかどうか

 

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散歩の途中スーパーマーケットに立ち寄った。そこで珍しい人に出会った。

私が住職の時、なんども護持会の会長を引き受けてくれたUさん。奥さんの買い物の運転手のようである。・・・つまり、現役を引退したということだ。

 

話している途中で、耳を示して、補聴器を使っている、という。

ある時、鉄砲を撃ったら、翌日から聞こえなくなってしまったという。

・・・長い間鉄砲を撃ってきたのだ。どういう事なのか。医者も原因は分からないというらしい。

右だけではなく、両方同時に滝の音のようなものが聞こえるようになったというから、鉄砲は発症の引き金になったということなのだろう。

ボクが40代の時耳が聞こえにくくなった(そのときもう少し早く来れば治ったかもしれないと言われた)のを知っているので、一週間以内ぐらいに医者に行ったらしいが、よくならず、補聴器をつけるようになってしまった、と。

 

後学のために補聴器の値段を聞いたら、両方で60万円だそうだ。もうすこし良いのだと100万円とか。

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そのぐらいの補聴器を使えば、良く聞こえるようだ。

 

ボクは歯がグラグラしているので、そう遠くない時期に、入れ歯が必要になるかもしれない。・・・補聴器も必要になるかもしれない。・・・目にカスミが掛かったようになり始めているので、白内障の治療も・・・。

 

内臓の検査を受けていないが・・・受ければ、こちらのほうが緊急かも。

 

スーパーからの帰り道に、考えるともなく考えた。

 

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山は赤いものが目立つようになってきている。

今日は散歩で汗をかかなかった。それだけ寒くなってきている

 

 

いろいろ

日経Web版で『パクスなき世界』という特集をやっている。なかなか考えさせられ、面白い。

(残念ながら私は無料会員で月に10本しか読めないので、全部を読んでいるわけではない。)

 

パクスなき世界、というのは、平和と秩序なき世界という意味らしいが、平和と秩序なら民主主義でない方が実現するのではないかという気がする。

製造業中心の世界から情報産業中心の世界へ変化してきて、富の集中と貧困の偏在という傾向が無視できなくなってきている。そこに、新コロナ騒ぎで、追い打ちをかけるように・・・ヨーロッパ的価値、自由を尊重するより、(平和と)秩序が大切という方向へ、世界は動き始めているのではないか。

多分、ヨーロッパは没落し、アジアが台頭する。

SFの世界では50年以上前から描かれてきた世界観なのだが・・・

・・・ヒトラーの悪夢を見るようで、目を塞いできた。

 

「何が起こっているのか」

毎回楽しみにしている、といっても、読めるのは平均して3日に一つの記事である。

 

朝日のWeb版でもときどき読みたい記事があるのだが、無料会員は読むことが出来ないのであきらめている。・・・無料会員が比較的優遇されているのは日経のみかも。

 

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『日本史の黒幕』なかなか面白い。たぶん今だったら、添削されて言葉を置き換えられたり、削られたりしそうな言葉や考え方に満ちている。・・・だから、座談以前に、彼らにはお呼びがかからないかもしれない。

この半世紀に何が起こっているのか、ということを考えさせられる。

・・・座談というより「放談」と言った方がいいような・・・

ボクはこういう本は好きだけど、ね。

 

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やっと風邪が治ったようだ。といっても、咳がひどく目が覚める時はある。これは気管支炎が刺激されているのだろうと思うので、マスクをして寝ている。

散歩はお休みの日が多くなってきている。汗をかくと、着替えの時に咳がひどいから。

まあ、順当なこと(年齢相応)なのだろうと考えるようにしている。

山の色がずいぶんくすんできた。このまま散ってしまうのか、鮮やかさが増すのか。

 

 

『日本史の黒幕』(中公文庫)

会田雄次小松左京山崎正和

懐かしい名前が並んでいるので、読み始めた・・・どうやら1978年の鼎談集である。

おそらく、黒子の編集者がいたと思うので、鼎談というより座談と言った方がいいのかも。

何故、いまごろ文庫になって出てきたのか、とちょっと思うが、気にせずに読む。

ボクの世代は、この3人の書いたものはいくつか読んでいる、懐かしい人たちだ。

 

大雑把に7つのテーマで話し合われているが、わたしは、「黒幕の条件」と「”すき”の構造」を読んだところである。

一回読んだだけでは分からない、というか、何回読んでも分からないかもしれない。ま、全部はわからなくてもいい。

 

「”すき”の構造」であぶりだされた‹日本人›というのも、考えさせられる。いいとかわるいとかという話ではなく、あれこれ思うきっかけになるね。

同時に、『日本の朝鮮文化』と『この国のはじまりについて』(司馬遼太郎の参加した座談集)を読もうとしている。

 

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すこし元気が出てきた。本を読もうという気になり始めたのである。

 

ただ、散歩は休みがち。風邪の根が残っているような感じで、夜中に咳が出て目が覚める、あるいは目が覚めて咳が出るのか・・・用心している。

夕方、白湯にハチミツを垂らして飲んでいる。

どのぐらい効果があるのかは知らないが、気休めにはなるだろう。