見方が・・・

歳を重ねたという言い方をすると、重々しいが、歳を取ると、というと、何かを失っていくようにも感じる。どうなんだろう。無色というわけにはいかないのだろうか。言葉というのは、その言葉の独特の匂いを持っているから。

 

歳をとると、ものの見方が自然に変わる。その人の個性ということもあるだろうが、ま、このことは一般的に言えることだろう。それを感じさせる言葉には事欠かない。

 

私は今本当に久しぶりに『碧巌録』を眺めている。古い方の岩波文庫と、新しい方の岩波文庫と。古い方は1950年代に出ている。新しい方は1990年代。新しいと言っても30年前である。

これを若い時とはぜんぜん違う見方で見ている・・・

 

阿含経典』を読んでいたら、自然に「碧巌録」を見たくなったのであった。

 

もう仏教書を読むことはあるまい、と思っていたのはつい先日である。たしかに、以前のような読み方をすることはもうないようだ。

 

寂しいような、面白いような。