先の話には続きがある。
【夕方外から帰ってきた趙州に 南泉和尚が昼の話をした。
それを聞いて、趙州は、草履を脱いで頭にのせて出て行ってしまった。
そのあとで、南泉は、昼にお前が居れば、猫は死ななくてよかったかもしれないなあ、と言った。】
というのである。これをみると、南泉は後悔していたのでしょうかね。・・・
趙州の行動は、どう見ればいいのでしょうか。・・・
趙州の行動が、南泉の言葉を引き出した、と考えると、どういうことになるのだろうか。
趙州の行動には、猫には降ってわいたような災難だったなあ、とでも受け取れるところがあるのだろうか。
先の場面とこの場面を続きなりの事として眺めてみると、やはり猫には何の咎もないよなあ・・・南泉が、弟子の事を考えすぎて、目が曇っていたのではないか、とも、見える。かわいそうに。風無きに波を起こす・・・
老婆心が間違った行動に繋がるというのはよくあることだ。
でも、確かにこれで修行者たちは、反省し、落ち着いて修行に励めるのかもしれない。
外に引きずられていた心が、対象を失ったのだから。葛藤の根源を絶つ、か。