近頃の読書傾向

政治について、あまりかんがえたことがなかったのだが、考えるようになった切っ掛けは何だったのだろうか。

たぶん、トクヴィルアメリカの民主主義』を読んだことが大きいかもしれない。読んだけれども、分かったというより、分からないことが多すぎて、だんだん調べるようになったのだろうと思う。

では、何故トクヴィルを読むようになったか。もう何時読んだのかも覚えていないのだが・・・そんなに前ではないと思う。

住職を引退して、宗教以外の事にあれこれ興味をもつようになってからであろうか。

 

もともと、いろんなことに興味があったのだが、好きなことだけやっていられるほど恵まれてなかったので、仕事に就いた。が、どれも長続きしなかった。どうも、人付き合いが苦手なのである。世間に出て他人と付き合ってから、そういうことにだんだん気づいて、やがて蒸発するようにして、世間から隠れたのである。

・・・当時はそう思っていなかったのだが、今の私には、そう思える。

 

お坊さんの仕事というのは、個人経営なので、信用第一、真剣だった。

お寺の後を人に譲って、第二の人生を歩み始めてからは、一番最初に、行ける限り遠くに行ってみたかった。お坊さんは、何時呼び戻されるか分からないので、旅行も出来なかったからだろうか。

地球は球だから、反対側、南アメリカ。そこで生を終えるつもりだったが、準備不足でもあり、体力も知力も衰えてしまっていることに気づいて、とても居続けられないことが分かり、帰ってきた。

 

そして、読書だけが楽しみになったのだった。だから、政治も、活動をしようというのではなく、現代社会のあり様を知りたいということである。今までは宗教という管を通して見ていたのだが、もう、そういうのを外して。

 

いま。ポピュリズムということについてと、民主主義の本筋はどういうことか、というようなことに問題意識が移ってきている。『ポリアーキー』を読んだからだろう。

ポピュリズムは、いろいろ批判されているが、かなり民主主義の本道に近いようにも思えるからである。

 

僕たちは政治に参加するために生きているのではない。同じように、金もうけのために生きているのでもない。でも、無関心だと危ない、管理され誘導されてしまう、油断のならない世界の中に生きているようにも思う。・・・・・