「プレートテクトニクス」について

『地球進化46億年の物語』に、かなり纏まった記述があるので、それをさらに部分的に引用する p138~165

プレートテクトニクスが地球の主要な地質学的なプロセスであるという発見は、実は地質学を超えて近代科学全体に大きな影響を及ぼすことになる。少なくても400年に及ぶ観察から予想されてはいたとはいえ、大陸全体が地表を移動するというのは、最初は想像しにくい異端の説として扱われていた。1960年代に世界中で新たな発見が続いてようやく注目され、広く受け入れられるようになった。しかし数多くの証拠が集まり始めると、地球科学の分野で科学史上最速ともいえるパラダイムシフトが起きた。・・・中略(ここにその様子が書かれてあるのだが、少し引用するには長すぎるので)・・・

プレートテクトニクス理論は地球科学を大きく変えた。それ以前の上下方向の地殻変動が定説だった暗黒時代、地質学は他のどんな分野とも関連がない、切り離された学問と考えられていた。この大変革の前には古生物学者海洋学者と議論する必要はなかった。火山の研究は鉱床地質学とほとんど関係がなかった。地球物理学者が生物の起源や進化に関心を持つことはなかった。ある国に存在する岩石が他の国に存在する岩石、ましてや遠く離れた海底の岩石と関連があるとは思われなかった。

プレートテクトニクス理論によって、地球にかかわるすべての事が統合された。・・・中略・・・プレートテクトニクス理論によって、地殻から核、ナノから地球全体のレベルまで、地球は統合された惑星系であり、空間と時間を超えて統一する単独の原則があることが明らかになった。】

 

こういうことが明らかになる以前、優れた学者たちは、決して今より劣っていたわけではないのだが、どういうことに拘って研究していたのか、

そんなことが分からないと、『地球46億年全史』は、森の中で迷っているような感じになる。

皆プライドの高い一流の学者だから、”門外漢”の『大陸移動説』などには洟もひっかけなかったわけで・・・・。