ニーチェは、殺人者ではないかと言うほど、ひとを滅多切りにする。ちょっとやそっとでは攻撃は止まない。まるで、相手ではなく自分を傷つけているようだ。自分相手なら、止むことがないのも分かる。・・・
人は、倒れたら起き上がらなければならない。倒れた場所で。
その起き上がる力は、とびこんだ力で浮かぶカエルかな、という言葉があるが、
新たな力ではなく、その攻撃力そのままのはずである・・・
その辺はどうなのかな?? 読んでいて気になるところである。
『道徳の系譜』は、かなり煮詰まってきているような気がするので、もう先はない。
この後は、明るい、空の開けたようなところに出るのでは???
それで、『ツァラトゥストラ』を読みたくなった。
たしか、『道徳の系譜』と同時に書かれた本のように記憶している。
私は、20代から40代ごろ、折に触れて、ニーチェはかなり読んでいた。まとまった時間がなかったので途切れ途切れだが。それがいつか、読まなくなった。
理由はたぶん、仏教関係の本を読まなければならなかったからかもしれない。
それが、ここに来て、焼け木杭に火が付いてしまったようだ。・・・たぶん完全には切れていなかったのであろう。
『ツァラトゥストラ』なかなか面白そう。今手元にあるのは、ちくま学芸文庫、ニーチェ全集9と10。分厚い本だが、訳注がほぼ半分。ちいさな活字でびっしり・・・以前ならうんざりするところだが、今は、久しぶりのニーチェだから、注が多い方が有難い。
トーマス・マン『ファウスト博士』は、同時進行だが、どうなることか。
今は1840年代からのヨーロッパの様子の方が気になる。
・・・・意気込んだのだが・・・活字が細かすぎて、目の前が霞む・・・
どうにも残念。注は諦めるしかなさそう。