シュティフター『男やもめ』

岩波文庫 

復刻版、これは2005年、シュティフター生誕200年を記念しての復刻でしょう。旧漢字仮名遣いそのままで、すこし読みにくいかも。初版は1940年。

この『男やもめ』は、1845年、シュティフター40歳の時の作品です。

『晩夏』は1857年の作品。この間に、1848年、フランス2月革命の余波を受けた革命騒ぎがあった。

 

この、『男やもめ』も、老人と若者の話である。老人は、好きな女性も居たのだが結婚せずに歳を取り、今死を目前にして、甥に財産を譲ろうとしている。『晩夏』では、薔薇の館の主と若者は血縁関係はないが、後継ぎを探している・・・。

その、後継ぎの性格が明確になってきているといえば言えそうである。老人の性格も、世間に揉まれて、角張るのではなく、丸くなってきている・・・

宗教的言葉が後退している・・・『男やもめ』を読んでいると、これは『聖書』の中の物語を下敷きにして作られているのではないかと感じる。舞台も、半分は、捨てられて廃墟のようになっている修道院跡で展開する。そこに、孤独な伯父が住んでいるのである。

・・・場所が薔薇の館へ変わった。若い時の恋人の家族と深い交流をしている、ことは共通。などなど

 

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私はなかなか面白く読んでいる。H先生お勧めだからではなく(それもあるが)、ヒトが自然や生き物と交流しているからであろうか。勧善のみ、懲悪はない。

ちょっと退屈と言えば、たしかにそうも言えるが。

 

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このあいだ、間違ったことを書いてしまったようです。このあたりの人は、今日の夕方迎え火を焚いて、明日墓参り、16日朝、送り火を焚く。ということです。

・・・もう寺を離れて7年ぐらいになるので、細かいことは忘れてしまいました。

 

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