「虚無の浸潤」という言葉だが、こんな言葉は自分でも使い慣れていない。ただ、イメージがピッタリのように感じたのである。
何回か読んだことのある「ソクラテスの死」
彼は、毒ニンジンから作られた毒薬を飲んで死ぬわけだが、書かれてある記述によると、直ぐに死ぬわけではない。足先から冷たくなり感覚がマヒして、それが徐々に上の方に上ってくる。心臓が停止するまで数時間かかるらしい。その間、しずかに横になって、会話を続けることも出来たようである。
このイメージである。静かにしずかに、浸されて行く・・・
ソクラテスのばあいは、あの世を信じていたのかどうか分からないが、イデアの世界を信じていたらしいから、多分。
ただ、今の時代の人たちは、否応なく、ダーウィンの信者になるように教育されているので、あの世とかを信じるのは、信じたい気持ちはあっても、原則不可能であろう。使っている言葉やしきたりの中に、過去の考え方が深く入り込んでいるので、何とも言えないけれど。
この世で手に入れたものをすべて失う。ま、そういうことである。
しずかに・・・虚無に浸されていくような・・・
虚無がしずかに入り込んできているような・・・
大げさに言えば、ブラックホールに飲み込まれるような・・・か?・・・これはちがうね。そんな大げさなことではない。
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台風が過ぎれは、気温は急速に下がるのだろうか・・・などと私などは他人ごとのように考えるのだが、いま、梨農家の方は、祈るような気持ちであろう。
これからの一週間が、あるいはしばらくが、収穫の時期である。
いま風が吹くのが一番困る。
幸い9号は逸れるようだが、つづけて10号が・・・
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