机の上に数個の石がある
以前その辺から拾ってきたものである。
手に取ってしげしげと眺めていると
思いのほか複雑である
どうしたらこういう模様になるのか
砂粒を虫メガネで見た時のことを思い出した
砂粒も、多くのばあい単純ではなかった
形も色も組成も。
単純なものとは人工物なのかもしれない
同じく机の上に転がっている100円玉を手に取ってみる
平成28年のものと令和元年のものだが
それを除くと区別がつかない
確かにそうでなければ同一価値とは言えないだろう
自然界には同じものは一つもないのだろうか
おそらくは。
100円玉を手に取る者の感じることも
恐らくは同じということはないのであろう
無限にふくざつなものが単純なものに美しさを見るということはある
無限に複雑なものが単純なものに憧れるということがあるのだろうか
この、歯の痛みは、たまらないが、
まあ、かけがえのない命の姿ではあるのだろう
しかし、痛みを忘れた状態にあこがれる。