『消滅の光輪』

やはり同じ作者の作品だな、と。

特徴のある改行、主人公の心の動きを追いかける、など。

 

消滅すると分かっている世界の、司政官。ほとんど今の日本のような、経済的利益追求にはしる世界の中で、数年後に消滅する世界の中から住民を避難させなければならない。そのために独裁権力を持たされたが、実際に実力を持っているわけではない・・・

 

まあ。コロナがもうすこし怖い存在なら、政治家というのはこういう立場に立たされる。安倍さんはそれに近い立場に立たされたのかな。あのころは、コロナは、中世世界の黒死病のようなイメージだった・・・

 

その力(光輪)が任務完了とともに消滅するならいいのだが、任務終了という時がなく、次々と口実が設けられて、権力拡大・維持に走るのだろうと(だって自分が一度権力を握ればそういうことになりそうだと思わない人は少ないだろう。ま、一種の依存症だ。他人が握るのは面白くないのだが・・・)

憲法改正議論が先に進まないのは、羹に懲りて膾を吹く、だけではなく、

人間が一番怖いからであろう。

 

まだ、三分の一ほど進んだだけだが(明日下巻が届くのでそれまでに上巻は読み終えるつもり)・・・作者が描きたいのは多分「人間」だろう。その時その場で動く人間の姿。小説にするには、非常事態がいい。

だから、「その果てを知らず」も、同じ作者の目を通して描かれている。

 

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ミリンダ王の問いと並行して進んでいたのだが・・・どうも「消滅の光輪」を先に終わらせないと落ち着かないようだ。

 

今回の雪は重い。随分悪いことをしている。

今回の関越道のようなことが起こった日の事を思い出した。

 

もう10年以上前になるが、大みそかに葬式の手伝いに20キロばかり先のお寺に行った時のことを思い出す。(雪が降りだしていたが、この時期、おそらくは近くの誰に電話しても断られ、ボクのところにまわって来たのだろうから、断ることは出来ない)。帰りは新雪が膝までつもり、さらに積もりつづけている・・・まあ、車は4輪駆動だから走るが・・・何処が道なのか、路肩なのか・・・一体自分が何処を走っているのかも分からない。

散々苦労して自分の寺に戻った時はそうとう薄暗くなっていたが、山門の階段は腰まで雪が積もっていた。(新雪だからスコップを使いながらラッセルして歩くことが出来た)

このとき、高速に乗って買い出しに出た家庭の主婦などが、トラックが道をふさいで立ち往生し、確か24時間以上閉じ込められた。

 

あれよあれよという間に、どんどん積もる。どうにもならない。

 

今回。私のところは、幸いにも今日は陽が射し、昼から散歩に出ようと思う。この前散歩したのは確か日曜日である。