読書中の本など

『死者の救済史 供養と憑依の宗教学』池上良正著(ちくま学芸文庫

 

ちょっと難しそうな題の本ですが、内容は「ゲゲゲの鬼太郎」の大人版という感じでしょうか。この間読んだ「跋扈する怨霊」とも重なるところのある気がします。

あの時は、「怨親平等の思想」というのが怨霊を鎮めた、というようなことだったと記憶していますが、これは少し違うかな。もう少し具体的か・・・あの時は貴族社会の事だったがこれはもう少し庶民の事だからか。

 

仏教の受容によって、死者に振り回されていた世界から、生者中心になった。死者を祀り上げる(生者が下)というようなところから、供養する(生者が上)、というようなモノの見方へ変わっていく。空なり無我なり平等というようなことがそのまま受容される(怨親平等というのはそういうことか)のではなく、具体的には、亡者の執念・執着を追善供養などによって鎮めてゆくという形で受け入れられてゆく。

 

この本には書かれていないと思うが(まだ四分の一ほどしか読んでいない断言はしない)、ボクは水木しげるさんの漫画が好きなのですが(先日ネットで「妖怪大戦争」を見ました。これで3回目ですね。一回目は勿論映画館です)、

「墓場の鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」へと変化してゆくのが、このような問題の半面のような気がしています。いわば、牙を抜かれて、取り込まれてゆく。

 

『民話の世界』松谷みよ子著(講談社学術文庫

これはほんの少し読んだだけだが、以前大本教の講習に参加させてもらった時に聞いた話を思い出しました。まあ、山陰にはこういう話はいまでも多いのですが。

水木さんもこういう土地で生まれた人ですから。

どういう話か、ということは、またの機会に。

 

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彫刻は、遅々として進まない。

彫刻刀は、やはり値段相応の所はありそうですね。研いだばかりの時には気づかないのですが、しばらく使っていると・・・安いのは切れなくなってくる。専門家用・職人用というのは少し高価なのですが、それは切れ味が相当長持ちする。勿論使い方も無関係ではないでしょうが・・・

この間研いできた彫刻刀が切れなくなってしまい、細かい作業でミスしてしまいました。取り返しがつくかどうか・・・

 

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朝は長袖がいい時期になってきました。またこの間までは陽が射したような時刻にまだ薄暗いですね。散歩はしやすい。