まあ、こう書き起こすしかないか。
またまた彫刻の事だが;知り合いが木材をたくさん持ってきてくれた。材質は、紅松という。独特の匂いのする木である。油の古くなったような匂い、昔のおばあさんの髪の匂いにも似ている(椿油かな)、といえばいいかな。松の種類だから油が多いのだろう。やわらかく彫りやすいとか。
大黒様を彫るのに丁度のサイズに切ってある。他人にあげるのには、仏像よりも大黒様だ、と。沢山彫って出来の良いものをヒトにあげる・・・・
確かに、仏像はヒトにあげにくいような気がする、よほど上達しても・・・。
大黒様なら、顔が上手く彫れれば、貰ってくれる人もいるかもしれない。
それは、彫る励みになるに違いない・・・。
大黒様は、米俵の上に立ち、打ち出の小槌を右手にもち、大きな袋を背中に担いでいる。お寺の玄関に韋駄天様を奉るように、一般家庭の台所に飾るに相応しいように思える。・・・・
大黒様の彫り方を調べて見たら・・・結構難しそうである。
立体感がはっきりつかめないと彫れないような・・・
ボクは、自動車教習所に通い始めたころ、永久に免許は取れないのではないかという絶望感のようなモノを感じたことがある。免許を取った後でもしばらくは不安感が去らず、ハンドルを握るたびに、手に汗が滲んだ。手に汗を感じなくなったのは、数か月後だったような気がする。
大黒様の彫り方を見ていて、そのことを思い出した。
いつかまともに彫れる日が来るのだろうか・・・永久に来ないのではないか
この立体感がうまく掴めるようになるのだろうか・・・
パソアパソ。一歩一歩歩いてゆけば、千里の遠きにでも達する、はず。
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