三国志   3

袁術を攻めるために出陣し、留守を張飛に任せた。その張飛が酒癖の悪さを発揮し、城を乗っ取られて、玄徳に泣きついたときの、玄徳の言葉

【「手に入れたとてうれしくもない城を、失ったとて気をおとすことはない。」p58

「兄弟は手足のごとく、妻子は衣服の如し。衣服は破れても、縫い付けることが出来るが、手足がちぎれたら、つぐことはできない」とは古人のことば。われら三人は桃園に兄弟のちぎりを結んだときから、同じ日に生まれなかったのは、ぜひもないが、ねがわくは同じ日に死のうと誓ったなかではないか。云々」p61】

 

物事の優先順位が、面白い。・・・たしかに、これでは、大きな集団を統率するのは難しそうである。徐州の牧になったとて、曹操に操られる駒になるだけだと達観していたのかも知れない・・・。また、妻子は信を寄せるに足りないと思っていたのか。戦乱の中では、城に定住する気持ちがないなら(あるいは、今のところを拠点に勢力を拡大するつもりがないなら)、足手まといの側面は大きかったであろう。

髀肉之嘆の頃までは、城を持ちたいとは思わなかったのかも知れない。

 

・・・・・・・