『三国志』  5

吉川英治さんの劉備像はなかなか面白い。時代を反映しているものなのか。お母さんが出てくることによって、孟母三遷を思い出してしまった。

宮城谷昌光さんの本は、ちょっと難しい。蘊蓄というのか、時代背景というのか、それが続き・・・時代小説マニア向けと言った感じかな、と。

 

両方とも第一冊のさわりだけ読んだだけであるが、岩波文庫の旧版のほうに戻ることにした。

第三冊目に入って、関羽顔良を切り、漢壽亭侯に封じられたところまで来た。このあたりは、関羽がどういう人なのか、その人となりが想像できるような感じがする。

全くぶれない。現実の中でたえず利に迷ってフラフラしている者としては、こうありたいものだと思わされる。

 

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漱石とその時代』なかなか面白い。

『道草』と『硝子戸の中』からの引用が多い。これらは自伝的な作品と言われているらしい。

ボクは、『道草』は、読んでいない。どうも、これはホラーなのかというような書き出しが苦手で(ホラーはあまり好きではない)、本は持っている(そうとう古い本、角川書店夏目漱石全集12昭和49年の初版)が、数ページしか読んだことがない。『硝子戸の中』はこの本の中にもあるが、読んだのは岩波文庫であったろうか・・・ずいぶん昔のことである。これは一応さいごまで読んだ記憶がある。

 

江戸人にとっての、明治維新の後の様子が、よく描かれている。と感じる。

 

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EUから離脱したイギリスは、経済を回さないことには生きてゆけないのだろう。10年先を考えると、この選択(プランAで行く)は過っていなかったと評価されるのではないかと思われる。

劉備は、その時その場を精いっぱい生きているように見えるが・・・先の事は考えていない・・・ように見える。先の事まで考えられないような、弱い立場に居て、木の葉のように翻弄されているとも思うのだが・・・如何なのだろうか・・・

イギリスに比較するとき、日本も、先のことをどのような考えているのか、と、劉備に重ね合わせて考えてしまう。

 

新聞の折り込みに、「金をお売りください」というチラシがしばしば入ってくる。それを見ると、金がg7,000円にもなっている。たしか数年前にはg3,000円ぐらいであった。たった数年で、2倍以上になっている・・・これは、円が半分以下に下がっていることではないのか・・・。・・・・・。不安の顕われではないか、などと考えてしまう。