『マルティン・ルター』つづき

予想通り。いい本である。

この本の中に、一点突破・全面展開、という言葉があり、ビックリしてしまった。と同時に、何か、障壁となっている物に気づき、そこを突破しようとするときは、まず集中して・・・だいたい何時も、そういうことなのだな、と思った。

 

ヘブライ語からラテン語に翻訳されて、分かりにくくなっていた、大事な「言葉」の意味が、突破口であったというのは、面白い。

 

わたしの一時お世話になった修行道場では、課題をノートに写し、言葉の意味を調べ・・・英文の現代語訳を作る時のような作業を繰り返した。そこで分かったつもりになっている大事な仏教語を、それはどんな意味か、更に追求された。私は、ほとんど答えられなくて、立ち往生したことを思い出す。

わたしの心の中には、不立文字というような考え方が棲みついていて、いわば、体験至上主義のようなところがあり、言葉を軽く見ていた。というのも、最初にお世話になった道場では、すべて聞き流すような聴き方をしていたからである。

 

のちに、体験を言葉にするときに、この頃の事はよく思い出した。ボクは一周遅れで走っていたのではないかと思ったこともあるが、まあ。人それぞれ。歩き始めるのは今居る所から、自分の問題からということであろう。

 

ペルーで、ファナ校長先生から分厚い聖書の日本語訳(カトリック教会版)を頂いた。校長先生のサイン入りの本である。一度通読したことがあるが、あれから何年もたっているので、今回は、詩編とローマ書を読んでみたくなっている。

 

読みたい本が沢山あって、簡単には死ねそうにないな。