泰山木の白い花

今朝の事。散歩がてら買い物に出かけた。

ちょっと暑そうなのでいつもの道ではなく遊歩道の方に足を向けた。

曲がり角で立ち止まって見上げているおばあさん(と言ってもボクのおばあさんではなく、ボクと同じぐらいのおばあさん)がいる。ボクも通り過ぎる折に、何の気なしに、おばあさんの見上げている木を見上げた。

すると、こんな低い木に泰山木の花が咲いている。珍しいです。去年は咲いていませんでした。と。

ボクは、そうですね。もっと高いところに・・・

と言いかけると、少し離れたところに高い木があって、其処では高いところに花がついています。(今年は)こんな低いところに泰山木の花が咲いたのですね

ぼくは、そうですね、といって先を急ごうとした。

おばあさんは、引き留めてごめんなさい、というから

いや。珍しいものをありがとう、と言って立ち去った。

しばらく歩くと、おばあさんの言った通り、角に、泰山木の少し高い木があり、そこには沢山の花が咲いていた。

 

泰山木の花を見るのは何年ぶりだろうか。

 

最初に見たのは、40年前、神戸であった。お寺の庭で。

それ以前にも見たことはあるかもしれないが、名前を知らなかったので記憶には残っていない。(ボクは言葉で記憶するのであって映像で記憶するのではないようだ。言葉がカギとなり映像が呼び覚まされる)

その次が、鳥取のあるお寺で。

そして今回。

もしその木の下を通り過ぎることがあったとしても、あまり上を見上げることがないので、気づかずに通り過ぎていたことはあるかもしれない。

 

今日だって、おばあさんに声をかけてもらわなかったら、気づかずに通り過ぎていた可能性が高い。

 

お寺のようなところで、孤立して立っていると随分立派な木なのだが、ごみごみと込み合って植えてある木の一本として立っていると、全く目立たない。今の時期、色とりどりの花が咲き誇っているから、白は目立たないし。

人間も、似ているかもしれない。

 

(検索すると、タイサンボクの白い花の画像は沢山あるようなので写真は省略)