『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 2

読みました。

 

映画「ブレードランナー」とは随分違います。何が違うと言って、もう「ブレードランナー」をよく思い出せないのですが・・・この原作からは、あのような続編(確か人間とアンドロイドの子供が生まれたという話だった)が作られるとはとても考えられない。アンドロイドに対してはあくまでも否定的。同情はしても愛情が生まれるとは考えにくい。孤独を紛らわせるために親しくなることはあるかもしれないが・・・

 

第三次世界大戦が何時起こったのかは分かりません(1990年以前)が、死の灰が降り注ぎ、生き物の大半が死滅してしまい、住むのが難しい所になってしまった。そういうわけで、人間も、まだ健康なものは地球外、火星などに移住した。そのとき一人に付きアンドロイド一体が支給された。地球に残ったのは、火星開発に役立たないような人たち。(全く未来に希望が持てない)

 

火星は荒廃したところなので、開発は困難で、奴隷のようなアンドロイドにとってはとくに辛いところだ。主人を殺害し、地球に逃げて来るものが後を絶たない。そこで、そのアンドロイドを刈る賞金稼ぎが生まれた。その一人が主人公である。

 

アンドロイドはどんどん改良され、知性は人間を越えているものまで出てきた。しかし、根本的に違う。

それはどういうことかというと、人間は何十億年という時間をかけて人間となった、だから根本のところに生命同士の共感のようなものが有る。それに対して、アンドロイドは工場で生産され、記憶が植え付けられている。他の生命に対する共感が全くない。知性が発達しているので、生きるために自分を人間に似せようとするが、それはあくまで自分一人のため。生命観というものがまるで違う。(人殺しが容易にできる。動物に対しても同じ。死に対する感じ方も淡い)

 

というようなことが根底にあり、話が進む。

 

始めて出版されたのは1968年。沢山の核実験、人工衛星の競争、キューバ危機、など、核戦争への不安が今以上に高かった時代である。

 

 

『変種第二号』ハヤカワ文庫 (SFテ 1  24)

届きました。新装版のようで、2014年発行 

マイノリティ・リポート』収録作品と重なるものがいくつかあります。

500pほどあり、読書の秋 読むのが楽しみです。