小学生に戻ったような感じで、下絵。
消しゴムを使って彫り、はがきに摺った。
消しゴムを彫る、というのは、簡単そうで、難しいところもある。
とにかく柔らかいので、そうとう切れる刀でないと、細かい作業は出来ない。
ネットで刀を探していた折、1.5ミリ丸刀のところに「これはいい、よく切れる」などのコメントが出ていたのがよくわかる。こういう細い刀は、切れないと研がなければならないが、研ぐのが難しい。
消しゴムだと、最初に切れるのを手に入れれば、しばらくは研ぐ必要はなさそうだ。
ボクは、削るのに、1.5ミリと3ミリ、4ミリの丸刀を使った。ウサギの目の所は、キワ刀。
・・・・小学生の時使った彫刻刀では、たぶん消しゴムは彫るのが難しい。あれは柔らかい板でもあまり切れなかった(余分な力が入り怪我しやすかった)ような記憶がある。
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仏像の台座を彫らなければ・・・と思っていたのだが、知人に彫ってもらってからは、気が抜けて、全く刀を握っていなかった。一年ぶりに、ほんの数十分だったが、刀を握り、気分がよかった。
来年は、観音立像に挑戦しようかな。
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忘れっぽくなっていて、愕然とする。
歯を磨くまえに、お湯がでるようにスイッチを入れ・・・歯磨きを終えて、
・・・スイッチを切るのを忘れてしまう・・・
彫刻刀を探しに部屋に入り、電気をつけ・・・彫刻刀を見つけて、部屋を出る。
・・・部屋の明かりを消すのを忘れてしまう・・・
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住職を引退した大きな理由は、火事を出したくない、ということであった。
一人になって、何も彼も自分でやらなければならなくなったら、ポカ・ヌケがかなりあり、気になった。
・・・もし、ロウソクを消し忘れたら・・・ガスを消し忘れたら・・・
自分のペースで事を運んでいればそんなことは起こらないが、とっさに行動しなければならない事態になると、
今の事はともかく、その少し前にやっていたやりかけの事などを、忘れてしまう、ということが数回あった。
たとえば;
ことことと大根を煮込んでいて、その間に何かをしていた。そこへ急に檀家さんがやってきて・・・帰った後で、急いでやらなければならないことを準備などしていて・・・焦げ臭いにおいに気づく、と言ったようなことが・・・・
まだ、大事には至らないが、この延長上には何が起こるか・・・不安だった。
台所を電化する、ロウソクを使わないで電気にする・・・ことも考えたが
このボケの症状が深刻な域に達したらどうなるかと考えた時、
これは代替わりの時期ということであろう、と思い至ったのであった。
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”ボーとしてんじゃねーよ!”と言われそうである。
もう少し、自分に負荷をかけないといけないかもしれない。
と考え始めた。