山本七平さんの本

彼の本は昔、随分読んだ。

彼は、1991年に、ガンに苦しんで亡くなった。そのころは、まだ十分なモルヒネ投与が許されてなく、七転八倒の苦しみであったと、雑誌で読んだ。・・・

・・・そのころまでに、いろいろ。目に付くものは殆ど。

しかし、亡くなった後は、いつとはなしに、読まなくなっていた。

 

今回、久しぶりに、『比較文化論の試み』という90ページほどの薄い本を読んだ。

たまたま七平さんの名前を何処かで見かけたので、懐かしさから読んでみようとおもったのであった。

 

なかなか面白いので(彼の本はボクにとってそうとうクドイという印象を残していたのだが、この本はすこし舌足らずな感じであった)もう一冊読みたくなった。

それで、『日本人とは何か』という本を注文した。

これが、さきほど届いた。

 

(これは、古本ではなく、両方とも新本を購入した。)

 

比較文化論の試み』は第43刷。『日本人とは何か』は第10刷である。

 

まず。その厚さに驚いた。新書の大きさなのだが、約4センチ・・・一円玉が2センチだからその2倍・・・810ページである。

 

年内に読み終わるかどうか、楽しみである。

 

ボクは長い間、あまりくどいのは苦手であった。”禅”とか「荘子」とかが大好きだったので、あまり言葉を弄ぶと、踊り跳ねるような命を、殺して標本にするような、大切なものを失って気づかない所業のように感じていたのである。(本当のところは論理的思考が苦手であったということだろうが)

しかし、近頃は、ソレでは済まない、と感じている。

お坊さんが、黙っていても注目され、質問される立場であるならともかく、もうとっくに、そういう時代ではない。何も言わなければ、見放され、見捨てられてしまうだけだろう。最小限の言葉は・・・どうしても・・・

 

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