『許されざる者』読み終わりました。
なかなか読みごたえがあった。
これは、スウェーデンの作家の書いたものだが、日本人(ボク)とは大いに異なるモノの見方をしているので、いろいろ考えさせられました。
たとえば、
テーマの一つが、時効を過ぎてしまった事件(時効は2010年に撤廃されているが、その直前の事件)の犯人が見つかった時に、それをどうするか、ということなのだが
「少女暴行事件」に対しては、時効はない、というのが、司法はともかく、国民感情だということが露骨に表れている様に思う。
日本で、この論調で小説が書けるかどうか・・・
・・・このテーマを扱うにはこのくらい大掛かりな仕掛けが必要だと判断したのでしょう。登場人物は、地位の高い、お金持ちです。
また、
後半400頁あたりに、被害者の母親が国に帰りイスラム教に改宗する話が出てくる。そこで、性犯罪に対するイスラム教との対比が出てくるのだが、目からウロコ。こういう見方もあるのかと考えさせられた。
(誰が何処からどう見ているか)多くの移民が居るのだが、移民の立場から見ると、キリスト教社会というのは、欠点だらけなのだろう
それぐらい、スウェーデンの性犯罪は多いということなのかもしれない。
話は跳ぶが、
『主任警部モース』でも、乱雑なセックスがらみの事件が多い。オクスフォードの建物は立派なのだが、(権力の近くにいる)人間は・・・まあ。モースが失恋ばかりしているのも、結婚していないのを皆から「それは賢明だ」と言われるのも、分かるような気がする。彼は(顔・強面に似合わず)純情すぎるような・・・
それに対して、日本では殺人の動機にお金の問題が多いように思うが。
個人的には、まだまだ言いたいことがあるが、それはまあ飲み込んで:
ここしばらく推理小説を(数冊)読んできたが、そろそろ、普段の読書へ戻ろうと思う。