お釈迦さまは、時季外れの花を咲かせたサラ沙羅の木の間で、涅槃に入られたと伝えられている。
その沙羅ノ木というのは、日本の夏ツバキと同じような木であるらしい。
ボクは夏ツバキがどれなのかよく知らないのだが、今咲いている此れなどがそうであろうか。
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読んだ。この間読んだ『黒いトランク』が昭和24年ごろの日本という時代設定であったが、今回の『砂の城』は、昭和36年ごろである。鳥取空港はまだ出来ていないようだが、米子空港は運用されている。
鳥取砂丘は当時も観光地として大いに賑わっていた(というより、ようやく人々の生活に余裕ができ、観光ブームが起こり、鳥取砂丘も、大いに売り出していた?)ようで、すでにラクダも観光の目玉として活躍していたようである。むしろ今のほうがラクダの数は、少ないのではないか。どんどん減ってきて、今は何頭いるのだろうか。もういないのかもしれないな。
今はハンググライダーを楽しんでいる人が目につくのかな。
そんな鳥取砂丘で、事件が起こる。
鮎川さんは、余計なことはほとんど書かない。ほんの少しだけ、作者の感想らしい言葉が登場人物から漏れることがあるが、まあ、大体は黙々と犯人探しをし、アリバイ崩しに専念する。
テレビドラマの、臭い説教などが全くないのが、爽やかである。
鮎川さんの作品をもう一作ぐらい読んでもいいな。