2023-01-01から1年間の記事一覧

『ローマ帝国衰亡史』 5

第十五章 クリスト教の進展、初代クリスト教の思想・風俗・員数及び状態 この章はなかなか勉強になりました。その中でも、ボクにとっては、特に 「異教の神々を悪魔と見る」と「偶像教に対するクリスト教徒の深甚の憎悪」 という節などが印象深い。 初代のク…

覆水盆に返らず

『ローマ帝国衰亡史』を読んでいて、この言葉を強く思う。 まあ、歴史など、歴史に限らず人間の営みには、この感想はつきもののようにも思うが。 民主制が、貴族制に変わってゆき、軍人の世界に変化し、専制主義に変わってゆく。確かに、軍人は文民に統制さ…

『ローマ帝国衰亡史』4

第一冊目が読み終わりました。 ボクは、ほとんど読まなかったのですが、『北斗の拳』(パチンコの機械ではない、漫画のほう)の舞台が、ローマの世界のように見えてしまう。 あれは、日本の戦国時代だったと思うのだが、中国と仮定しても、ローマ帝国のある…

『ローマ帝国衰亡史』3  ほか

文章はこなれていないのかも知れない。生硬な翻訳調というのであろうか。 わざとそうしているのか、今は分からない。巻数が進むにつれて文体は変わってゆくかもしれない。 ギボンは文章がうまいらしいが、いまのところ、そういう感じではない。しかし、内容…

『ローマ帝国衰亡史』 2

これから、いよいよローマ帝国の衰亡が目に見える形で始まるところに差し掛かっている。 世界の歴史の中で、最も幸せであったと思われる時期を、西欧に生まれた人に問えば、それはローマの五賢帝時代ではないか、という答えが返ってくるらしいが その五賢帝…

『ローマ帝国衰亡史』

岩波文庫 全10巻 村山勇三訳 以前、筑摩書房だったか、中野好夫さん(途中から朱牟田夏雄さんに変わった)訳の単行本を読み始めたことがあった。最後まで行けないで、確か6巻辺りで挫折してしまった。・・・全12巻ぐらいあったと思うが、箱入りであった。ず…

近況

昨日、facebookのボクの記事に、思いがけない知人から「いいね」が付いた。 約2年ぶり。生きていたんだ・・・それとも、誰か別人が成りすましているのか というのも、彼女は重い心臓疾患を患っていて、真夜中に苦しくて目を覚ますと心臓が止まっている、と…

あと どのぐらい 本が読めるだろうか

それは全く分からない。が、だいたい10日で一冊、一年で36冊。これよりも 多く読むのは、今は無理である。 目が疲れてしまう。集中力が持続しない。 すると、最大に見積もって、10年。360冊が限度かな。 いや。10年後には、月に2冊ぐらいしか読めなくなると…

権力は腐敗し、絶対的権力は・・・

隣国では、絶対的権力を握ってこれからは大いなる恐怖の時代が予想されたのであるが、どうやら失速しつつあるような・・・ 失策つづきのようである。権力者の周りには、忖度する者ばかりが集まる。権力者の欠点も拡大してしまうという事なのであろう。 周さ…

もう12月も中旬である

今住んでいる団地は、約50年前に分譲が開始された。歩いていると、更地にされ新しい建物が建てられたり、外装が修理されたりしているのが、めにつく。団地の外縁を歩いていると、どんどん新築も増えて分譲が続けられているのも分かる。 住人も、圧倒的に老人…

今日は・・・

80年ほど前、日本がアメリカに宣戦布告をした日。挑発されてやむを得ず、とは言いながら先制攻撃をしたのは事実であろう。 2600年ほど前、菩提樹の元に坐って悟りを開かれた日でもある。たった一人で悟りを開かれたと思いきや、大地有情同時成道、と気づか…

ソクラテス  12/7・8・9 追加

ソクラテスは、「民主派に好意を寄せていた」ギリシャ哲学者列伝(上)p137 これはプラトンとは大きく異なるところであろう。 プラトンは名門中の名門の生まれである。それに対して、ソクラテスは石工の倅であり、本人も石工であったようである。彫刻家とも…

坐禅していると

手も足も口も、いわば、閉じた状態になる。目も、キョロキョロしないように、半眼。呼吸も、静か(かすか)でゆっくり。最初は、(閉じ込められたようで)驚いて、頭の中は、フル回転で騒ぎまわるが、やがて、空騒ぎも落ち着き・・・ すると、高いところから…

八日まで一週間坐るわけだが

坐る時間はそんなに長くはない。もう、そういう無理は出来ない。 ただ、朝、午前中、午後、夜、少しづつ坐るわけなので、本を読んだりする気分にはならない、ドラマを見ようという気にもならない。 一言で言えば、連続する思考がぶつぶつに断ち切られるわけ…

滅多に坐らなくなったのだが

12月はやはり坐らないと、年末の気がしない。 坐っていると、何坐目かになると、いろいろ昔のことが思い出されてくる。 昨日は、ミミさんの事を思い出した。 ペルーにいる間、3度のご飯を作ってくれた人である。 本当にお世話になった。感謝! 書き始めると…

『放てば手にみてり』

ソクラテスを読んでいて、頭の中に、この言葉が浮かび、消えない。 どういうことだろうか。全然関係ないと思うのだが・・・ この言葉は、道元禅師の書かれた『弁道話』の最初の方にある。しかし、ボクはもうそういうことは忘れてしまったので、頭の中に浮か…

『ソクラテスの弁明』おわりました  11/26・27・28追加

内容については、最初に藤沢令夫さんの「哲学の源流プラトン」という文章があり、よく纏まっていると思います。 ですから、私はいつも通り、内容の紹介は省略して、勝手な感想を記すことにします。 『ゴルギアス』 最初はゴルギアス相手に問答をしているのだ…

『ソクラテスの弁明』つづき

自分は神からアテネに遣わされたアブのようなものである、という言葉が『弁明』にあるが、 『ゴルギアス』を読んでいると、確かになあ、と思わされる。うるさい奴や こいつは話し相手になりそうだと目星を付けると・・・目星を付けられた方は災難やな・・・…

『ソクラテスの弁明』(中公クラシックス)

何度目だろうか。5度目?6度目? 最初は、高校一年生の時だ。確か「倫理社会」の夏休み宿題であった。 衝撃であった。昨日まで漫画を読んでいた身には難し過ぎた。頭を殴られたような衝撃で、よく分からなかったが、わからないまま一応最後まで読んだ。そん…

P.I.Meena 型破り調査員の事件簿

インドの ドラマである。コルカタが舞台になっている。 なつかしい感じがする。ボクが見たコルカタよりすこし綺麗なところだが。 舞台の一部を見てきたというだけで、風俗から何から、興味深く見ていられる。 行ったことがあり、一部知っているというだけで…

『陶淵明伝』吉川幸次郎著(中公文庫)

読むのは3度か4度か やはり、よく書かれている。詩を読むというよりは、詩をとおして 陶淵明の伝記を探っているという感じである。 同時代の権力者劉裕とその周辺の人物と、陶淵明の関係などが縦軸になって 話は進む。 『始めて鎮軍参軍となり、曲阿を経し…

固窮の節

この言葉の元になった話は: 孔子さまが数人の弟子を連れて、諸国遊説の旅に出た。その途中で 何度も難儀に遭うのだが、その最大の難。 軍隊に包囲されて、一週間ほど兵糧攻めにあうということがあった。 そのとき、弟子たちは立ち上がるのも困難なほど衰弱…

『中国文学における孤独感』斯波六郎著

こちらが面白くて、ついついこちらを先に読んでしまう。 斯波さんは六朝文学がご専門だったようで、陶淵明の詩注も出しているようです。 詩の中に表現されている孤独感ですから、すこし違うといえば違うかもしれない。ただ、だんだん時代が下るにしたがって…

『陶淵明詩解』鈴木虎雄訳注

ここんところ殺伐としたものばかり読んでいたので、本当に久しぶりで陶淵明の詩を眺めたくなった。 同時に『中国文学における孤独感』斯波六郎著(岩波文庫)も、読み始めた。これは2021年5月に一度読んだものだが、また手に取っている。斯波さんは、自分の…

『文明と戦争』

第一部 過去200万年間の戦争 を読みました。 ルソーの考え方の否定にそうとう紙数を使っている。これは意外でした。 面白いと思ったのは、ネアンデルタール人などよりも、はるかに腕力が劣っていたことが現生人類の生き残りに深く関係していると考えているこ…

『文明と戦争』再挑戦

決して読みやすい本ではない。今回も最後まで行けないかもしれない。 ボクは、決してホッブス主義ではないのだけれど、人類は国家を超えた『怪物リヴァイアサン』を必要としているし、飼いならさなければならないということには賛成である。 インターネット…

上野で会った画家

ボクの手元には油絵の小さな作品が一点あるだけだったのだが、先日彼から少し前の個展のパンフレットを送ってきた。(おそらくは、最近はコロナもあり、絵本を書いて"描いて”いるようだし、個展を開いていないのだろう。) 数枚写真に撮ったので此処に載せる…

昨日久しぶりに

電車で上野に行きました。 何か、外国に行ったようで、最初に駅で切符を買うことすら出来なかった。3台あるがどの機械を如何操作すれば切符が買えるものか 近くでスマホの画面を見ている女子高生にお願いして、助けてもらい やっと切符を買うことが出来た。…

ホッブス

おそらく、基本的なところで、物事の捉え方が変わった。そのことに気づいた自分に、相当の自信があって、書き始めたのでしょう。 神とか社会とかよりも自分の人生。「人生は競争である」と考えるような人々がかなり増えてきていた。そこから見る方が、よく見…

『法の原理』ホッブス著 一応読みました

ホッブスの著書では一番読みやすいとは思いますが、一度読んだだけでは あれこれ書くというのは難しい。 翻訳者の田中浩さんの解説が、要領よくまとまっている。 表紙に書かれてある「すべての人間が安全に生きるためには政治はどうあるべきか」それを原理的…