藤沢周平『一茶』

読みました。

 

露光は、著者の創造した人物のようです。しかし、いかにも、という感じです。

一茶には空白の10年があるようです。その間、彼が何をしていたのか、調べても分からない。そこで、露光という、いかにも在りそうな人物が登場した。

 

「おらが春」というのは、最初の子供が生まれた時の句、のようですね

 

這え笑えふたつになるぞ今朝からは

めでたさも中ぐらいなりおらが春

 

しかし、その中ぐらいの幸せも長続きしない。

 

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一茶は、田辺聖子女史も書いているようだ。読んでみようと思う。

田辺聖子といえば、私が神戸に居たころ、友人が飲みに行っていたところで彼女に何回か会ったと話していた。私は、勿論会ったことはない。まず飲みに行かない。

 

藤沢周平の一茶は、ちょっと暗すぎるように感じる。こんな闇を抱えていたのだろうか、というところがあり、もう一つ別の人の書いたものを、読んでみようと思うのである。

 

一茶の書き残したものを読んでみるのも面白いかもしれない。

当時の俳壇に対しての一茶の感想は、さもありなんと思う。これも藤沢周平の創作なのだろうか、と、気になる。

 

・・・ボクには、この作品からは、藤沢周平の肉声が聞こえてくるような気がするのだが・・・

彼が直木賞をとったのが昭和48年、この作品が発表されたのが昭和53年。初期の作品である。

 

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