『今昔物語集』天竺・震旦部

岩波文庫全4冊のうちの第一冊。

全10章。最初の5章は天竺(インド) 次の5章は震旦(中国)

 

今第5章の途中である。ところどころに下線が引かれたり、書き込みがあったりするので、以前(全部ではないだろうが)目を通している。多分3年ぐらい前。しかし、ほとんど覚えていない。

例えば、第2章の最後に〈子供が聞いたら夜も眠れなくなるような話が続く・・・〉と書き込んでいる。また、第3章最後、仏、涅槃に入り給わんとするときに、ラゴラに遇いたまえる語 には〈釈氏多く弟子となっていることを思えばこういう場もありか。〉と書き込んでいる。お釈迦さまが臨終に臨んで、ラゴラの手を取って「このラゴラはこれ我が子なり。十方の仏、これを哀愍したまえ」と言って亡くなった。これが最後の言葉である。と書かれてあることに対しての感想であろう。

また、第5章、国王、盗人のために夜光る玉を盗まれたる語、の最後には〈これはこれは・・・まずくはないか?〉と。・・・しかれば、悪しきことと善きこととは、差別あることなし。ただ同じことなり云々・・・とあることに対しての感想であろう。

 

【解説】によれば、今昔物語集は、1,130年から40年ごろに、興福寺の僧によって編集された。しかし、完成はせず、1450年ごろまで、世に出ることはなかったようである。

近代になってから読まれるようになったということのようである。

 

ボクは本朝世俗部のものばかり読んでいて、この天竺・震旦部は数年前に初めて目を通し、今回が第二回目である。

なかなか面白い話も少なくないので、また取り上げたいと思います。