初版 人口の原理 をよむ

ロバート・マルサス著 岩波文庫

なかなか興味深く読ませていただきました。特に面白く感じたのは、「解説」に於いてこの本がきわめて否定的な評価をされている、こと。こういうのもアリなんだ!

 

私がこの本を読もうと思ったのは、C・ダーウィン関連の読書の延長である。ダーウィンは、この本の読書で、進化論の着想のようなものを受けたらしいと言われており、自分の目で読んでみようと思ったのである。

 

私が読んだ限りでは、その着想というのはこの本の最後の方から受けたのだろうと思う。

・・・自然は努力しなければ生きていけないようになっている。神は、努力なしには貧困と罪悪に沈むように人を創り、絶えざる向上を求めている・・・・・

此処を読むと弱肉強食・適者生存の萌芽のようなものが感じられる。また、裏返せば神の否定、唯物論に直結する、生命の進化を考える素地のようなものが・・・・

・・・多分解説者とは全く異なる眼で見ていたにちがいない。