『生き物をめぐる4つの「なぜ」』

集英社新書 長谷川真理子

 

本屋さんの書棚に並んでいても、手が出ないような、地味なタイトルの本である。

私は、たまたま先ごろ、日高さんの本を読んでいて、ニコ・テインバーゲンの事を知ったので、彼の本を読んでみようと思ったのである。しかし、どうやら、彼はノーベル賞受賞の動物行動学者で、素人向きの本は書いていないようです。文庫本にはなっていないらしい。

ただ、ニコ・テインバーゲンには、有名な「4つのなぜ」というのがあるらしく、それについて書かれた本・新書が、この本である。

私のような素人には、文庫か新書が親しめる。寝っ転がって読めるというだけでなく、専門書ではなく一般書だから、手が届くのではないかと。

新書でも半分以上分からないなどということはザラにあるのだが・・・

 

「4つのなぜ」とは;

①至近要因 その行動が引き起こされている直接の要因はなんだろうか

②究極要因 その行動は、どんな機能があるから進化したのだろうか

③発達要因 その行動は、動物の個体の一生の間に、どのような発達をたどって完成されるのだろうか

④系統進化要因 その行動は、その動物の進化の過程で、その祖先型からどのような道筋をたどって出現してきたのだろうか

 

この本では、オスとメスの存在、鳥のさえずり、など、いくつかの題材を取り上げて、「4つのなぜ」を探ってゆく。

 

まだ読み始めたばかりだが、なかなか面白い。文章もいい。

ま。お勧めの本です。ただ、発行は2002年ですから、もう店頭にはないかもしれませんね。私は例によって図書館から借りてます。

 

こういうコンパクトにまとまった記述を読むと、いろいろ考えさせられます。読んで時間をつぶすだけでは飽きてきますので、こうして 読みながら、いろいろ考えさせられるというのは嬉しい事ですね。

 

今日も好天。散歩日和です。