『種の起原』 など

第七章 本能  いまここ

 

《この世界は神様が一週間で創造したものではない。》

 

「ビーグル号航海記」は20代に読んで以来、まったく目を通していないので、何が書かれてあったか、忘れてしまったのだが・・・

この「種の起原」は、このことがテーマであるのは確かなことである。

「生き物にたまたま生じる変異が、自然選択されて、(長い時間をかけて)この世界を創ってきた」

 

内容については、ネット上にはたくさん書かれてあるので検索してもらえば、私などが書くよりも正確な知識がすぐに得られると思うので、いつものように省略して、私の拙い感想のみを書くことになります。

 

この「本能」のところでは、托卵する鳥の習性とか、奴隷を飼う蟻の事とかが書かれてあるのだが、こういう生き物の存在は、自分の説の弱点だと考えていたのだろう。第六章 学説の難点 の続きとして書かれてある。

なぜ、そういう生態があるのか、ダーウィンの説明は分かりやすく説得力がある。

 

これらは、神さまの世界、ということからは、そちらこその弱点だと思える話である。

神さまはずるを許容されるのですか?単に面白いのがお好みですか?

 

まあ。状況証拠の山、という感じである。これでもか、というように、次々と、出してくる。圧倒される。ほんとによく勉強しているなあ

決定的な証拠はないが、神様が創造したという話よりは、はるかに信憑性が高そうだ。

 

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アメリカの一部では、今でも、進化論は創造説とともに、有力な仮説として教えられているとか(しばらく前に)聞いたことがあるが・・・ドーキンスさんが頑張るにはそれなりの理由があるのだろう。グールドにも。・・・

神さまが絡むと話が複雑になってしまう。神はそれをお望みなのだろうか?

 

ダーウィンは神さまを刺激しないように細心の注意を払っているように感じる。

 

『人間の由来』(ダーウィン 講談社学術文庫)上巻を購入した。

同時に読み進めようかと思っている。

いままで何度か、図書館から借りて読もうとしたことがあったが、期限内に読むことが出来なかった。今回、新本を購入。訳者に敬意を表して。

因みに、『種の起原』も、随分前だが、新本を買った。(本当は常に新本を買いたいと思っているのだが、リタイア生活ではそれは難しい・・・)

 

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変異ということでは、母集団が大きいと変異も多く、もまれて、生きのこる可能性が高い。母集団が小さいと、変異が少なく、後に大きな集団と接触した時に、ひ弱で飲み込まれることが多い(たとえばオーストラリア原生動物など)・・・日本という島国を見る時、そのことを考える。

多くの人が日本を訪れるのだが、日本人の多くは必ずしもそれを歓迎しないし、外に出ていく人も少ないようだ。

この激しく変動する社会の中で、委縮してしまっているのか。結婚も出生率も下がる一方である。閉鎖された空間で甘やかされてひ弱になっているのだろうか。

とするならば、少子化対策というのは、小手先でどうにかなる問題ではなさそうである。根本的な活力を抑えてしまうような考え方を止めるべきなのかも。

というようなことを、不図考えます。