久しぶりに、グールドを読みたくなった。
彼の本をほとんど手放してしまったので、いまはこの本しか手元にない。
パラパラめくってみると、赤線が沢山引いてある。
お気に入りの本なので手元に残した可能性は高い。
(しかし、悲しいかな、そのことが思い出せない。)
プロローグ
ここに次のようなことが書かれてある。
第一に、進化には目的がない。
第二に、進化には方向性がない。
第三に、自然を解釈するに、一貫して唯物論哲学を適用した。
そうなのだ、この世界はダーウィン以来変わってしまったのである。
第一部 ダーウィン小論
一章 ダーウィンのためらい
なぜ、進化論の発表を20年以上も遅らせたのか
恐怖心だったのではないか
【有機体の神的作用への愛、おお汝唯物論者よ!・・・なぜに脳の分泌物たる思想が、物質の属性たる重力よりも不思議さにみちているというのか。それはわれわれの傲慢、われわれのわれわれ自身に対する賞賛。】p32
【プラトンは『パイドン』の中で、われわれが「思い描く種々のイデア」は魂の先在を前提とするものであって、実際の経験に由来するものではないという・・・ここで先在は、サルたちとよみかえるべし。】p33
【私がどの程度唯物論を信じているかを述べることは避けるべし。情動、本能、才能の程度は遺伝するものであり、子どもの脳は親の血筋を引くものであるから、物質を基盤にしていることを述べるにとどめよ。】p34
これは、進化論の草稿を作る前に書いたノートにある言葉の一端とか。
まだ、再読を始めたばかりだが、なかなか面白そうである。
外国に行くときに、宗教の項目に、無神論と書いてはいけない。無神論者は蛇蝎の如く嫌われる。仏教徒と書きなさい、とは、何度も教えられたことであった。
そのことを思い出す。