『遺跡の声』など

『遺跡の声』作者 堀晃 創元SF文庫

 

ボクは、ときどきSFが読みたくなる。どうしてなのか、考えれば理由は探せるだろうが、探したことはない。・・・もっとときどきだが、スパニッシュギター曲が聴きたくなる時がある。これにも理由はあるのだろうが・・・

 

堀さんの名前は知っていたが、作品は読んだことがなかった。今回も、手には取ってみたが、全然引きこまれない。1年以上積読だったのではないだろうか

それが、如何いうわけか、読む気になって、ほとんど一気に(といっても数日で)読んだ。(「知ってはいけない」と関係しているのか、イスラエルと関係しているのか)

 

時代設定は、かなり未来である。宇宙の遺跡調査をする下級調査員の主人公とその助手の物語である。この主人公の受け持ち範囲は100光年という、気の遠くなるような広さである。それを彼らだけで回っている。そこに生き物の気配はない。が、何かの痕跡を探して、調査する。

広大な宇宙に進出することが出来ずに滅びた種族の残した遺跡を調査しているのである。

 

「ヨーロッパの旅の風景」などを見ていると、古代の遺跡の上に現代の人の住居が建てられている。あらゆるところが、そういう場所のように思える。

日本だって、家を新築しようとすると、学芸員がやってきて、かならず様子を見ていく。何か出たりしたら、まあ、ご愁傷様、というところである。

 

宇宙。地球だけに生命が誕生したとは誰も思っていないだろうが、お互いに行き来するほど近くに異星人が誕生しているとは、大半の人は思っていない。誕生したとしても、宇宙に進出する以前に滅びてしまうことが多いだろうと。

どういう理由で滅びてしまうのだろうか。

今の地球を見ていると、やっと宇宙に目を向け始めた時に・・・

弱肉強食・切磋琢磨。「走れ、はしれ、こーたろう」じゃないが・・・この延長上には、危ない未来が!!!  ・・・  「友愛」と言った人が居たっけ。

 

アシモフ手塚治虫のすぐ後の世代に、こういう作品が書かれていたのだなあ

 

・・・・・・・

 

『知ってはいけない』読みました。

絶句。いう言葉が見つからない。しかし、ここには多くの人(日本人全部にと言いたいが)に知ってほしいことが書かれてある。

著者は、ボクのような無知な者にも、わかりやすく、噛み砕いて、書いてくれている。ふつう、こういう内容だと、読む方が非常な苦労をして理解することを求められるのだが、この本は、分かりやすい。文体には、よっぽど、工夫されたのであろう。

これだったら、義務教育を終えた人なら、誰でも、読める。と思う。

みなに 読んでほしいと思っているのだろう。

 

これから『知ってはいけない2』を読もうかと思う。