山上容疑者

最初の1週間ぐらい、目に付く記事は読んだ。その後は、めんどくさくなり、読んでいない。眼を通すのはニュースの見出し程度である。

 

ボクは、若い頃(10代、高校生の頃)、ドストエフスキーに捕まってしまい、抜け出せなくなったことがある。学校を休み、落第寸前まで行ってしまった。

 

あれから、もう何十年も経過しているのだが、今回の事件が妙に気になっている。

 

罪と罰』のラスコーリニコフとは、違うところも多いのだが・・・自意識過剰になってしまい、自己の世界に閉じ込められてしまっていた、のではないか、と思わせられるところなど、相当似ているのではないかと思わせられる。

 

これから4か月ほど、精神鑑定を受けるということだが、納得するところである。

 

 

本当に久しぶりに、ドストエフスキーを思い出したが、あの世界では、すべての登場人物が、ハイテンションで走り回っていたなあ、という印象が残っている。

ボク自身もまた、そうであった。何かに憑かれたように、視野が極端に狭められた中で、藻掻いていた・・・。頭の中は、全力疾走していた・・・車輪の中を走り回る白鼠かハムスターのように。堂々巡りをしているのだが、どうにもならない。

 

分かっていても止められない。身体を止めても、頭の中は、全力で沸騰する。

 

彼も、環境が変われば、憑き物が落ちるように、自分の囚われていた状態が見えるようになるかもしれない。そうすれば、初めて冷静に、自分のしたことと向き合えるようになるだろう。・・・辛いだろうが。