ずいぶん古い本である。1956年第一刷発行 ボクが読んだのは2014年第38刷
チンギスカンの世界征服にともなって、アジアに散らばったモンゴル人の末裔が、アフガニスタンの奥地に居るという情報を得て、それを探しに行ったときのことが書かれてある。
この本は、「亡き友 山崎忠氏にささげる」とある。
本文の中に出てくる、探検を共にした友人が、数年後、現地で客死してしまう。
モンゴル人の末裔は居たには居たが、支配民族としてではなく、他の民族に圧迫されて、荒れ果てた地に細々と暮らす、農耕民としてであった。数も減り、モンゴル語も、覚えている人はまだいるが、それは日常会話の言葉としてではない・・・
アフガニスタンは、先ごろ、アメリカが撤退し、イスラム原理主義的な国として、ときどきニュースに登場する。
たしか現在、パシトゥーン族が有力であると聞いたような気がしているが、この本の中でも、そうである。
この本から70年、いま、モゴール人たちはどうなっているのか。
数年前に読んだ『女と文明』のときも思ったのだが、梅棹さんは文章が上手である。
読ませる。漢字でなくてもいいところには漢字を使わない、それもいいね!